4年生総合的な学習「福祉体験」
2019年10月18日 17時00分10月18日、待ちに待った「一日福祉体験」。視覚、聴覚、身体の障がい、そういった障がいと向き合いながら前向きに生きている人達に出会い、話を聞いたり体験をすることで得られる学びは、きっと想像以上のものがあるはず。4つの体験における子どもたちの姿を垣間見てみましょう。
車椅子体験
講師の方は「ある日突然 障がい者に」というお話をしてくださいました。事故や病気で、突然自分の体が動かなくなってしまったら・・・、きっと目の前が真っ暗になってしまうでしょう。講師の先生は、その苦しみを乗り越えて、自分と同じように障がいをもつ人たちへの支援を行っているそうです。「自分ももしかしたら、ある日突然に体が動かなくなることもあるかもしれない」と、真剣に話に聞き入っていました。障がいがあることは、不便で大変だけれど、みんなが互いに思いやる気持ちをもって生活することが大切であること、また、障がいのある人だけでなく、様々な立場の人が住みやすい社会にしていくことが大切であることを教えていただきました。
実際に車椅子に乗ったり押したりする体験では、ちょっとした坂道や段差も、なかなかうまく乗り越えられなかったり、乗っていてもぶつかりそうでこわい思いをしたりしたようです。両方の体験をすることで、乗っている人が安心するように押そうと、気を配ることができていました。
ガイドヘルプ体験
初めに講師の方から、目が見えにくくなった経緯や、見えにくくなって困ったこと、その解決方法や道具などの話を聞きました。その後、特に外を歩くときに困ることがあるということで、ガイドヘルプの意義やその仕方について教えていただきました。二人組を作り、ガイドをする人とされる人を交代して体験しました。ガイドされる人は、アイマスクをつけて片手に白杖を持ち、もう一方の手でガイドする人の肩か肘を持ち、歩きました。廊下は比較的大丈夫でしたが、階段を降りるときには、なかなか足が進みませんでした。ガイドする人は、「あと三段で終わるよ。」と声を掛けたり、壁や手すりを持つように手助けをしたりして、ガイドされる人が少しでも安心するように頑張っていました。
もし、町中で白杖を持っている人を見かけたら、「こんにちは。何かお手伝いしましょうか。」と声を掛けるとよいことも教えていただきました。見えない体験を実際にすることで、進んで声を掛けようという意識も高まったようです。
手話体験
まず講師の先生の生い立ちを知ることで、、耳の障がいによる生活の不自由さや様々な思いを子どもたちは感じ取りました。しかし、講師の先生の話には、決してマイナスの感情だけでなく、プラスの思いや経験も多くありました。そこから子どもたちは、障がいがあることは不自由ではあっても不幸せではないということを感じ取りました。人の心の強さや尊敬の気持ちを感じた子どもたちは、自分にできることは何かを考えました。体験では、簡単なゲームを通して口の動きを読み取る「読話」や挨拶の「手話」、名前を表す「指文字」など、様々な伝え方を楽しく学ぶことができました。読話や指文字で難しさを感じる一方で、簡単に表せる手話のよさに気付き、「これなら地域の人にも使える!」と意欲を高めていた子どももいました。
点字体験
講師として5名の先生方が来られました。
活動は
①先生方の自己紹介・点字を学習するようになった経緯
②身の回りにある点字について(点字が書かれているものの紹介や説明など)
③点字で書いてみよう。(名刺づくり)
中心の活動は、小学校名・学年・クラス・名前を入れた名刺を作る活動でした。
点字は、書くときと読むときとで、文字が鏡映しになるため、書くときは右側から書きます。
最初は、自分の名前をさかさまから書くのだと思った子どもたちもいて、自分たちが普段使っている文字と違う点字の表現にみんなで驚いたり迷ったりでした。ですが、自分の書いた点字を触って、その「感じ」を学んだり、講師の先生(点字読み、スピード日本一の!)に自分の書いた文字を読んでいただいてアドバイスをもらうことで、「もっと点字で、文字を書いてみたい。」「読めるようになりたい。」「身の回りの点字を探してみたい。」と関心を高めていきました。
点字が生まれ、活用され、障がいをもった方々の表現が広がったこと。誰にでも使いやすく便利にと生み出された「ユニバーサルデザイン」の発想。これらにも触れながら、講師の先生方から学んだ時間は、今後、社会で共に生きていく子どもたちにとって、有意義なひとときになったことでしょう。
実際に、見る、聞く、触れる、体験するという生の活動は、何よりも子どもたちの「生きる力」になると実感できた1日でした。(4年生)